投稿日:2021年5月24日 | 最終更新日:2023年1月13日
- トレードパターンを増やしたい
- シンプルなエントリー方法を知りたい
- 水平線を使ってトレードしたい
今回は、こんな悩みに答える記事を書きました。
ボク自身、『水平線』と『切り上げ/切り下げライン』を使ったエントリーが、多くの割合を占めています。
今回紹介するのは、そのうちの『水平線』を使ったエントリー方法。
とてもシンプルですが、トレンドがでているときはエントリーチャンスが多い手法ではないかと思っています。
もしあなたが、トレードルールを増やしたいと思っているのであれば、ぜひ参考にしてみてください。
ではいってみましょう。
Contents
水平線には役割がある
水平線といっても、いろいろな役割があります。
ボクは大まかに、次の目的で水平線を引いています。
- 環境認識用
- 目線固定用
- エントリー用
環境認識用
「価格がどこで止まって、どこまで向かうのか」
「どこを抜けると価格が大きく動きだすのか」
多くのトレーダーが、このような”環境認識”のために水平線を使っています。
上のチャートのように、支持されるライン(サポートライン)と抵抗されるライン(レジスタンスライン)に分けることで、トレードで重要な分析をしていきます。
『システムトレード基本と原則』の著者ブレント・ペンフォールドによると、トレードの核心は支持線(サポートライン)と抵抗線(レジスタンスライン)の水準を見極めることだそうです。
この水準を見極めるために、水平線は欠かせないといえます。
目線固定用
ダウ理論は、『押し安値・戻り高値』で目線を固定します。
今が【買う相場なのか、売る相場なのか】、目線の固定はとても重要な役割を担います。
そこでボクは『押し安値・戻り高値』に水平線を引くようにしています。
押し安値・戻り高値は、それだけでサポート・レジスタンスラインの役割を担っています。
そのため、ボクは色を変えたり、太さを変えたりして分かりやすく強調することが多いです。
エントリー用
最後にエントリー用の水平線。
エントリー方法がシンプルなので、使い方を覚えておけばトレードパターンを増やすことができるでしょう。
水平線を使ったエントリー方法とは?
では、水平線を使ったエントリー方法とはどういったものなのでしょうか?
ここからじっくり解説していきたいと思います。
波の性質を利用した手法
この記事で紹介する水平線を使ったエントリー方法は、波の性質を利用した手法です。
言葉でいっても分かりにくいので、下図をご覧ください。
波は節目(水平線)を抜けると、次の節目(水平線)を目指すという性質があります。
上図では、レートが下から上に水平線を抜けているので、次の上の水平線を目指すと考えられます。
(下降の場合は、逆の考え方ですね)
このように、水平線から次の水平線を目指す動きを狙ったトレードです。
まーぶっちゃけ、ただのトレンドフォローですね。
上図の青マルの部分を狙っていくときに、そのままエントリーもできますが、よりリスクを下げるために下位足を利用します。
下図をご覧ください。
いくら上位足が上昇中だといっても、下位足でも一直線に上昇するわけではありません。
上図のように上下に波を作っていきます。
この小さな波をとっていこうということですね。
水平線の引き方
エントリーで使う水平線は、下位足(エントリーの時間足)で引きます。
水平線の引き方は、とてもカンタン。
- 波の高値・安値に引いていく
- 何度も止まっているポイントに引いていく
上記2つのポイントに引いていくだけです。
シンプルですね。
イメージだと下図のようになります。
波は『N字』を描きながら上昇(下降)します。
このN字の動きは、どんな時間足でも発生します。
下位足でN字の値動きを狙うことで、リスクを抑えながらエントリーできるということですね。
先ほどの図で、エントリーポイントを確認してみましょう。
青マルのポイントがエントリー箇所。
このように下位足の高値・安値で水平線を引くようにしておいていください。
そうすることで、エントリーポイントに活用できます。
注意点としては、青マルのポイントで即エントリーではないということです。
水平線で反発を確認してエントリーしていくということを覚えておいてください。
下位足で使う理由
先ほど説明したように、この水平線を使ったエントリーは、下位足でタイミングを図っています。
なぜ下位足でエントリーしていくかというと、以下のメリットがあるからです。
- 損失(リスク)が小さい
- リスク・リワードが高い
- 勝率が高い
上位足の波の方向に従ってエントリーしていくので、伸びやすく・勝率も高くなると言えます。
また水平線はピタリと反応するものと考えているひともいるかと思いますが、数pips程度のズレなんて誤差の範囲内です。
これは時間足が大きくなるほど、ズレはさらに大きくなります。
このズレをなるべく抑えるために、下位足を使って損失を限定することが大切になってくるのです。
もちろん、これはどのエントリーパターンにも共通していえることです。
実際のチャートでエントリーポイントを確認
イメージはできたでしょうか?
これを実際のチャートで見ていくと次のようになります。
画像には載せていませんが、上位足は押し目の局面。
戻り高値を上に抜けてきて買い目線になったので、押し目買いの準備を始めます。
ここまで説明してきたように高値(売りの場合は安値)に水平線を引いていきます。
水平線を上に抜けて、再度戻ってきたらエントリーの準備です。
ただし、レートが水平線にタッチしても、すぐにはエントリーはできません。
水平線に反応しないこともよくあるからです。
ですから、必ず水平線でローソク足が止まるのを確認しましょう。
「止まった」と判断するのは裁量になりますが、少なくともヒゲや反発のローソク足を待つことが大切です。
上のチャートであれば、青マルの陽線がでた辺りになるでしょう。
ロスカット(損切り)は、水平線の数pips下におきます。
利食いに関しては、トレンドが続くかぎり保有しておきたいところです。
理想としては上位足の水平線を狙っていくか、下位足の押し安値(戻り高値)が抜かれるまで利益を狙っていくのがベストだと思います。
ただし、大きく狙うほど勝率は下がりますので、直近高値で決済するのも間違いとはいえません。
ご自身のスタイルにあわせて取り入れてください。
では、もう一度別のチャート事例を見てみましょう。
水平線を使ったエントリーでも、比較的分かりやすいチャートかなと思います。
ただ、2回目のエントリーはロスカットラインを厳しくしすぎると引っかかる可能性があるかも。
どんなエントリーパターンでも絶対はないので、当然負けることもあります。
その場合は、サッサと損切りして次に備えましょう。
チャンスはいくらでもありますから。
色々な反応パターン
次に水平線にレートがきたとき、どんな反応パターンがあるかを見てみましょう。
◎水平線に反応して、そのまま高値を越えていく
これが狙いのパターン。基本形です。
水平線を使ったエントリーは、この形をイメージしてエントリーしていきます。
この形で高値を更新し続けてくれると、どんなにラクか(笑)
◎水平線に反応して、折り返していく
高値を越えてくれるのが理想ですが、そううまくいくとは限りません。
この段階では、まだどうなるかわかりませんが、高値を越えない可能性も想定しなければなりません。
では、この後どういった値動きが考えられるでしょうか?
パターンA:高値で反発したが、水平線まで戻らず高値を更新していく
すでにポジションを保有していれば、そのまま継続して保有。
エントリーする場合は、超えた高値から水平線を引いて狙っていくパターンになります。
パターンB:高値で反発した後、水平線でまた反応する
この場合は、レンジになる可能性を考慮にいれなければなりません。
ポジションを保有している場合は、決済または上に抜けるまでホールドです。
エントリーする場合は、レンジ間でトレードもできますが、上に抜けた後についていった方がカンタン。
パターンC:高値で反発した後、水平線を抜ける
こうなってしまっては、すぐにポジションを解消(ロスカット)しなければなりません。
注意点としては、この形になったからといって売り目線になるわけではありません。(後述)
◎水平線に反応しない
引いた水平線がまったく機能しないケース。
この場合は、別のエントリーパターンで入っていきます。
ちなみにこうなったら僕の場合、切り下げ(切り上げ)ラインを準備して待ち受けることが多いです。
水平線でのエントリーは、あくまでパターンのひとつに過ぎません。
複数のエントリーパターンを用意しておくことで、トレードチャンスも増えてくるでしょう。
水平線でエントリーするときの注意点
水平線を使ったトレードは、シンプルな手法といえますが、次の3つには注意が必要です。
- 高値・安値の更新が弱いとき
- ヒゲの扱い
- どこで目線は固定するの?
高値・安値の更新が弱いとき
高値・安値の更新が弱いとき、水平線で反応する可能性が低くなります。
上図のように、高値を少しだけ更新した場合、水平線で反応する可能性は低いといえます。
なぜなら、直前の高値があまりに近すぎるからです。
カンタンにいえば、美味しくない(リスクが高い)ということですね。
そのため、トレーダーたちも参加してきません。
もちろん勢いがある相場などでは、このまま高値を更新することもあるでしょう。
しかしながら、リスク・リワードを考えると見送った方がいいケースです。
どれぐらい更新すればいいかの明確なルールはありませんが、ボクの場合はフィボナッチやpips数で判断しています。
ヒゲの扱い
ヒゲで抜けたら、どう判断するのか悩むひとも多いと思います。
残念ながら、明確な答えはありません。
ボクの場合は、実体(終値)を重視しているので、ヒゲを抜けたとは判断していません。
ですが、これはトレーダーの考え方しだいです。
あなたのやりやすい方法で取り扱ってください。
どこで目線は固定するの?
水平線は目線を切り替えるポイントではありません。
下図のように、水平線を抜けて深いところから更新することだってあります。
目線を切り替えるポイントは、『押し安値・戻り高値』です。
忘れないようにしておきましょう。
水平線を使ったエントリーの補足
ここでは、水平線を使ったエントリーの補足事項について説明します。
補足といってもとても大切な内容なので、じっくりお読みください。
水平線の候補は複数ある
今までは、エントリー候補となる水平線は一つで説明してきましたが、実際の相場では下図のように複数の候補ができるケースがよくあります。
どちらで待つかは、その時の判断によって変わりますが、【水平線2】のほうが期待できる利益は高くなります。
ボクの場合は、この後に説明する『期待値』の高さを考えてエントリーするようにしています。
いずれにせよ、こういった複数の水平線候補があるというのを覚えておいてください。
水平線で必ず反応するとは限らない
何度か説明していますが、水平線を使ったエントリーは必ず反応するわけではありません。
もっと深く押す(戻す)こともよくあります。
そこで大切なのが『ゾーン』で考えることです。
下図をご覧ください。
高値に引いた水平線から押し安値までを『ゾーン』として囲っています。
ようするに、ぶっとい水平線ですね。
このゾーンの間であればどこで反応してもおかしくないということです。
つまり、一番早く反応するポイントが水平線ということになります。
「じゃ、水平線で反応しなかったらどうするの?」と思われるでしょう。
その場合は、違うエントリーパターンが必要になります。
ボクの場合、下図のような切り下げ(切り上げ)ラインを使うことが多いです。
期待値を気にしよう
期待値とは、ある時点での見込める利益(期待利益)に対する損失(期待損失)の割合のことです。
例えば、下図のA~Dポイントのどこかで必ず反発して、高値に届くとしましょう。
その際、一番利益が高くなるポイントはどこになるでしょうか?
当然、Dのポイントですよね。
つまり期待値が一番高いのは、Dのポイントということになります。
これを水平線のエントリー基準で考えると、
- 期待値が一番低いポイント=水平線
- 期待値が一番高いポイント=押し安値(戻り高値)
ということになります。
「では、水平線でエントリーするのって損なの?」
と思われるかもしれませんね。
ただし、これは水平線をエントリーの基準で考えた場合の話。
もしかしたら、あなたは今までは水平線よりはるか上のポイントでエントリーしていたかもしれませんよ。
確かに水平線でエントリーする方法は、『ゾーン』という考え方のなかでは一番早いエントリーポイントです。
それでも、明確でシンプルなエントリールールであることは間違いありません。
エントリールールのひとつとして、ぜひ検証してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
本日のまとめです。
◎水平線には役割がある
- 環境認識用
- 目線固定用
- エントリー用
◎水平線を使ったエントリー方法とは
・波の性質を利用した手法
波は節目を抜けると、次の節目を目指す性質がある
・水平線の引き方
下位足(エントリー足)で、『波の高値・安値』『何度も止められているところ』に引く
◎下位足で使う理由
- リスクが小さい
- リスク・リワードが高い
- 勝率が高い
◎色々な反応パターン
・水平線に反応して、そのまま高値を越えていく
理想形ー狙いのパターン
・水平線に反応して、折り返していく
パターンにより対応が変わってくる
・水平線に反応しない
別のエントリーパターンで入る必要がある
◎水平線でエントリーするときの注意点
- 高値・安値の更新が弱いときー見送ったほうがよい
- ヒゲの扱い―トレーダーの考えによる
- どこで目線を固定するか―目線の固定はあくまで押し安値と戻り高値
◎水平線を使ったエントリーの補足
- 水平線の候補は複数ある
- 水平線で必ず反応するとは限らない
- 期待値を気にしよう
どんな手法にでもいえることですが、必ず検証をしてからトレードに取り入れるようにしましょう。
少しでもあなたの参考になれば幸いです。
川西 能司
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