投稿日:2020年11月21日 | 最終更新日:2022年10月8日
こんにちは、川西です。
トレードをしていると『ダウ理論』という言葉を耳にする機会も多くなってきませんか?
![](https://follow-the-rules.com/wp/wp-content/uploads/2020/11/man_question.jpg)
こんな悩みを解決します。
- ダウ理論とは
- ダウ理論のメリット・デメリット
- ダウ理論を活用したエントリーポイント
ダウ理論を理解すれば、目先の値動きでアタフタすることがなくなります。
トレーダーには必須の知識なのでおさえておきましょう。
Contents
ダウ理論とは
ダウ理論とは、19世紀後半にアナリストとして活躍したチャールズ・ダウという方が提唱した理論です。
現在のチャート分析の多くは、このダウ理論の影響を受けています。
まさに『テクニカル分析の王道』といえるでしょう。
プロのトレーダーは、このダウ理論を当たり前のように意識しています。
つまり、FXでトレードをするのであれば、避けては通れないってこと。
しっかりと特徴を押さえておきましょう。
ダウ理論6つの基本原則
ダウ理論には次の基本原則があります。
- 平均はすべての事象を織り込む
- トレンドには3種類ある
- トレンドは3段階からなる
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確なシグナルが発生するまで継続する
ひとつずつ解説していきます。
平均はすべての事象を織り込む
「平均はすべての事象を織り込む」とは、価格に変動を与えるあらゆること(経済ニュース・戦争にテロ、災害など)は、すべて価格に反映されていることを意味します。
一言でいうと「チャートがすべて」ってことですね。
この考え方があるからこそ、テクニカル分析が成立するともいえます。
だからこそ、プロのトレーダー達はダウ理論を意識しているのですね。
テクニカル分析というのは、この「平均はすべての事象を織り込む」という考えの上にあると覚えておきましょう。
トレンドには3種類ある
ダウ理論では、トレンドを次の3つに分類しています。
- 主要トレンド・・・一年以上、時には数年間にも及ぶ長期トレンド
- 二次的トレンド・・・3週間から3ヶ月程度継続する中期訂正トレンド
- 小トレンド・・・一般に寿命が3週間未満程度の短期トレンド
カンタンにいえば、大きな波の中に、中くらいの波があって、その中にも小さな波があり、それぞれにトレンドを持っているといったところです。
この考えは、トレードで優位性をもった方向に仕掛けるために非常に大切なポイントです。
トレンドは3段階からなる
3段階とは次のとおりです。
- 第1段階:先行型投資家の買い集めの段階
- 第2段階:トレンドを認識した投資家の参入段階
- 第3段階:トレンドがまだ続くと思っている投資家の参入。第1、2段階の投資家は決済、また反対売買が入ってくる段階
![](https://follow-the-rules.com/wp/wp-content/uploads/2020/11/GBPUSD-cdH4-1024x392.png)
【第1段階】
トレンドが転換すると判断したトレーダーが参入してくる段階。
1番利益が見込める段階だが、リスクも高い。
【第2段階】
戻り高値(押し安値)を抜けて、トレンドが転換したと判断できる段階。
トレンドフォローを意識しているトレーダー達が参加してくるので、非常に伸びやすいポイント。
【第3段階】
トレンドは継続すると判断したトレーダーが参入してくる段階。
一方で、第1・2段階で参入したトレーダーたちが利食いのタイミングを図っている状況でもあるので、リスクもあります。
安定して利益をだすには、いかに第2段階でエントリーしていくかがポイントです。
一方、トレンドフォローをしていても負けている方は、第3段階に入っているという認識がないことがほとんどです。
平均は相互に確認されなければならない
ダウ理論は、もともと19世紀後半に考え出された理論です。
もちろん当時はFXなんてありませんから、株式市場が元になっています。
ここでいう「平均」とは、工業株と鉄道株の平均株価。
「強気・弱気のいずれのシグナルも、両方の平均株価が同じシグナルをだしているか確認するべきである」と、ダウさんは言ってます。
なので、FXで使える理論かは、正直微妙。
強引に解釈してみると、「トレンドは複数の指標で確認されなければならない」といったところでしょうか?
例えば、高安値の切り上げでトレンドを判断するだけでなく、オシレーター系でも確認できれば信頼性のある動きといえるでしょう。
![](https://follow-the-rules.com/wp/wp-content/uploads/2020/11/GBPUSD-cdH42-1024x392.png)
トレンドは出来高でも確認されなければならない
出来高というのは株の世界の話。
FXでは出来高の確認ができないので、ここはスルーしてもいいかと。
ちなみ、「出来高もメジャートレンドの方向に沿って増加しているか確認しろ」というのが本来の意味です。
トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
ダウ理論のなかでもっとも有名なのが、この原則。
これが今日のトレンドフォロー手法の大原則の1つとなっています。
![](https://follow-the-rules.com/wp/wp-content/uploads/2020/11/GBPUSD-cdH43-1024x392.png)
ダウ理論でいう『明確なシグナル』とは、押し安値・戻り高値のこと。
これを抜けるまではトレンドが転換したとはいえません。
ちょっとした目先の動きに惑わされてはいけないのです。
アナタも高値・安値を切り下げた(切り上げ)からトレンド転換したと判断して、ヤラレタ経験はありませんか?
高安値を切り下げて下降トレンドが発生したとしても、上図のようにオレンジ丸の押し安値2を抜けるまでは買い目線は継続しているということになります。
押し安値・戻り高値はどの時間軸にも存在します。
チャート分析をする際には必ずチェックするようにしましょう。
ダウ理論のメリット・デメリット
「本当にダウ理論って使えるの?」そう思う方もいらっしゃるでしょう。
当然、ダウ理論にはメリットもあれば、デメリットもあります。
長所・短所を理解して、有効に活用していきましょう。
ダウ理論のメリット
ダウ理論のメリットは「目線を固定できる」ということです。
先ほどの基本原則で説明した通り、ダウ理論では目線の切り替えを『押し安値・戻り高値』で判断します。
例えば買いの場合、『押し安値』を抜けない限りはロングで攻めるということができます。
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つまり目線を固定することで、「買えばいいのか?売ればいいのか?」と判断に迷うことなくがなくなります。
当たり前ですが、目線を固定することで逆の値動きはとれません。
しかし、優位性のある環境でトレードするためにはダウ理論は欠かせないのです。
FX初心者はまず目線を固定して、エントリーしていくことを心がけましょう。
ダウ理論のデメリット
ダウ理論の1番のデメリットは、『シグナルが遅すぎる』点です。
チャートで説明します。
![](https://follow-the-rules.com/wp/wp-content/uploads/2020/11/GBPUSD-cdH45-1024x392.png)
それまでの下落から上昇に転じたチャートです。
戻り高値を抜けた(数字の1の波)ので、『買い』に目線を切り替えます。
例えば数字の2付近でロングポジションをもったとしましょう。
このチャートでは、数字の5のポイントが最高値。
そこまで保有してできればベストですよね?
でも、実際の相場ではどこが天井になるかなんてわかりません(想定はできますが)
損小利大の考えでいけば、利益はできるだけ伸ばしていく必要があります。
そこで押し安値が抜けない限りは、ポジションをもっておくという考えもできます。
上図で言えば、数字の4の箇所ですね。
つまり、2から4の上昇部分は獲れても、4から5の部分は獲れないということです。
これは上昇トレンドが始まる部分に言い換えても同じ。
戻り高値を抜ける動きも獲れません。
要するに「頭と尻尾は獲れない」ということ。
FX初心者ほど、天底・天井部分も狙いにいく傾向があります。
しかし、反転箇所をピンポイントでとらえるのはプロでも難しい技術です。
まずは、トレンドが転換したと決まったポイントだけに絞ってトレードすることが大切だと思います。
ダウ理論を活用したエントリーポイント
ではダウ理論を活用して、どこのポイントでエントリーできるかを解説していきます。
ダウ理論では「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」という原則があったのを覚えていますよね。
この原則を利用してエントリーを仕掛けていきます。
ざっくりいえば、『明確なトレンドだと分かれば、それに追従する』といった感じです。
画像で説明します。
![](https://follow-the-rules.com/wp/wp-content/uploads/2020/11/E3A973E7-F11C-477B-AA8F-C8BB6CEF9498.png)
a~fのポイントを貼り付けてます。
ダウ理論を活用してロングを仕掛ける場合のポイントをご紹介します。
まずは、
a.ただ反発しただけ。このポイントではまだ下降トレンド。つまり売り目線なのでロングはなし。
b.戻り高値を抜けたポイント。買い目線に変更するところではあるが、まだ安値を切り上げていないので、トレンドが発生したとは言えない。ノーエントリー
c.押し目になりそうなポイント。しかし、まだ安値が切り上がったと言えない状態。つまり、トレンドは発生していないので、基本はノーエントリー。余談ですが、ボクはトレンド発生を見越して仕掛けるポイントではあります。
d.安値を切り上げて、上昇トレンド確定。高値Bブレイクで、上昇トレンド確定したことを根拠に、ロングエントリーできます。
e.高値安値を切り上げが確認できており、明確な上昇トレンドが発生。反発を確認して押し目買いができます。積極的に仕掛けていきたいところです。
f.上昇トレンド中に高値を更新したので、トレンド継続が確定。高値Cブレイクでトレンド継続が確定したことを根拠にエントリーが可能。
エントリーポイントをまとめておきます。
- a,b⇒ノーエントリー
- c⇒基本はノーエントリーだが、リスク・リワードを考えるとポジションをもってもOK
- d,f⇒上昇トレンド確定で、ブレイクエントリー
- e⇒上昇トレンド中の調整、押し目買いで積極的にエントリー
トレンドフォローの言葉どおり、トレンドが継続した判断できるポイントがエントリーの基本。
特にeのポイントは、リスク・リワードが分かりやすく、重要なポイントです。
このポイントを中心に仕掛けていけば、安定した利益を見込めるでしょう。
まとめ
トレンドフォローは、損小利大を狙ったトレードに最適なスタイルです。
そのトレンドに関しては、ダウ理論を避けては通れません。
- 平均はすべての事象を織り込む
- トレンドには3種類ある
- トレンドは3段階からなる
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確なシグナルが発生するまで継続する
6つの基本原則の中でも、「平均はすべての事象を織り込む」「トレンドは3段階からなる」「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」 の3つはとても重要です。
ダウ理論を理解し、実践することであなたのトレードは飛躍的に安定するはず。
ぜひ検証をおこなってモノにしていきましょう。
川西 能司
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