投稿日:2021年7月11日 | 最終更新日:2022年1月13日
- 本当にマルチタイムフレーム分析が必要か知りたい
- マルチタイムフレーム分析をやったら勝率が悪くなった
- 難しい分析はやりたくない
こんな悩みに答える記事です。
ボクのブログでも、他のトレーダーさんのブログでも、マルチタイムフレーム分析の紹介記事をよく見かけますよね?
「上位足の方向にトレードしよう」
「長期・中期・短期の順番で分析しましょう」
「マルチタイムフレーム分析はトレードに必須」
きっとアナタも、まじめにマルチタイムフレーム分析に取り組んできたのだと思います。
なのに勝てない・・・
結論から先にいうと、
取り組む順番が違うのです。
❌マルチタイムフレーム分析→FXで勝てるようになる
⭕️1つの時間足で勝てるようになる→マルチタイムフレーム分析
この順番です。
なぜならマルチタイムフレームとは、トレードの分析精度を上げるために取り入れるものだからです。
1つの時間足を分析する力がなければ、まったく逆効果。
頭が混乱するだけなので必要ありません。
つまり、1つの時間足を分析する力が最優先なのです。
まず先に一枚のチャートで、シンプルにトレンドを見つけてエントリーしていけるようになるのが、勝つための近道といえるでしょう。
ボク自身、最初からカッコつけてマルチタイムフレーム分析を取り入れて、かなり遠回りをしてしまいました。
そんなボクみたいな失敗をしないためには、取り組む順番が重要です。
この記事では、1つの時間足を分析する方が大切な理由と、シンプルなチャート分析方法を紹介しています。
マルチタイムフレーム分析が推奨される理由
マルチタイムフレーム分析(以下、MTF分析)とは、さまざまな時間軸のチャートを見て、相場の状況やエントリーポイントを探る分析方法です。
昨今はMTF分析が主流。
ブログでも商材でも、MTF分析が当たり前となっています。
ではこのMTF分析には、どんなメリットがあるのでしょうか?
- 分析の精度が上がる
- トレードの優位性が上がる
- 損小利大のトレードが可能
おもに以上の点が挙げられると思います。
分析の精度が上がる
MTF分析をすることで、相場の分析精度を上げられます。
というのも異なる時間軸を分析することで、【どこで値動きが止まるか、動きだすか】が判断できるからです。
下図をご覧ください。
どの時間軸でも、高値・安値は形成されます。
ですが時間軸が長くなるほど、レンジや高値・安値の抵抗は強くなります。
長い時間軸ほど高値・安値を形成するために参加したトレーダー(資金)が多いからです。
長い時間軸である高値や安値、サポート・レジスタンスラインなどのほうが強いということですね。
そのため長期足を分析することで、値動きが止まりそうな場所や、抜けたら大きく動きそうなポイントがわかりやすくなるのです。
MTF分析でトレード精度が上がるというのは、上記の理由にあるといえるでしょう。
トレードの優位性が上がる
先ほどの理由からも、長期の時間軸のほうが力は強いです。
ようするに、短期足<長期足という力関係ですね。
この関係を使ったトレードが、上位足(長期)の流れにエントリーする方法。
よく見かける図ですよね?
ボクも本ブログでよく書いている内容です。
損小利大のトレードが可能
ボクがマルチタイムフレーム分析を採用している一番の理由がコレ。
短期足を活用することでエントリーポイントを絞り、損切りを小さくできます。
先ほどの図で説明します。
あくまでもボクの場合ですが、青波(長期)の押し目買いを狙うとしましょう。
長期の時間足だけでエントリーする場合、損切りラインは直近安値(青線)になります。
かといってこのままでは、負けた場合の損失が大きくなってしまいます。
そこで短期足の出番。
短期足で損切りラインを狭くして、損小利大が目指せます。
マルチタイムフレーム分析は本当に必要?
ここまでMTF分析のメリットについて説明しました。
「なんだか、いいことだらけのような気が・・・」
そんな風に感じるでしょう。
でもMTF分析はトレードに本当に必要なのでしょうか?
分析の精度は下がる可能性が高い!?
結論からいえば、MTF分析でゴチャゴチャになるぐらいなら、1つの時間足にでているトレンドに沿ってトレードする方がよっぽど勝率は上がります。
チャートを見て、どこを抜けたらトレンドが発生(継続)、どのあたりで反転しそうか、説明できるでしょうか?
1つの時間軸でも考えることはたくさんあります。
複数の時間足になると、さらに多くのことを考えねばなりません。
MTF分析で逆に勝率を落とすのは、この複雑さにあります。
初心者の方には、なおさら難しいのではないでしょうか?
たとえば、ゴルフをはじめたばかりのアナタがコースにでたとします。
コースにあわせてドライバーやらアイアンを使いわけても、結果は大差ないでしょう。
なんなら1つのアイアンだけで回ったほうが、結果はいいぐらいです。
それと同じ。
いくら複数のチャートを見ても、分析する力がないと意味がありません。
むしろ悪影響です。
1枚のチャートだけでトレードしたほうが、成績は安定すると思います。
上位足と同じ方向=それほど勝率は高くない!?
上位足と同じ方向にエントリーすることで、優位性が上がると言われていますよね?
(ボクもよく言っちゃうし・・・)
ただし単純に上位足と同じ方向にエントリーするだけでは、そこまで勝率は高いとはいえません。
たとえば下のケースをご覧ください。
- 戻り高値をローソク足(実体)が抜けたら買い
- 押し安値をローソク足(実体)で抜けたら決済
上記の単純なルールでトレードしたとします。
(売りの場合は逆)
上のルールに上位足の条件を加えて、トレードをしてみます。
検証で使用したのはポンド/円2年分(2019/1~2020/12)1時間足。
上位足は4時間足を使用。
- 総トレード回数:39回
- 勝ち20回/負け19回 勝率51.2%
- 獲得pips:1,568
※スワップ、スプレッドは考慮していません。結果を保証するものではございません。
いかがでしょう?
思った以上に勝率は高くないですよね。
獲得pipsはそこそこありますが、これは年1,2のビッグトレンドをつかんでいるから。
(リアルトレードではストレス半端ないからムリと思う)
実際に各通貨ペアの3年ほどのローソク足を調べてみました。
結果は、陽線:陰線の出現率はほぼ1:1
上位足の影響で、陽線・陰線の多さは変わりませんでした。
(伸び率は違うけどね)
まとめると、ただ上位足と同じ方向にエントリーしたとしても勝率は上がらないってこと。
「上位足が反転するポイントなのか」「上位足で伸びていくポイントなのか」
上記を見極めて、はじめて優位性が生まれてきます。
そのポイントも結局は、1つの時間足を分析する力があるからこそわかるといえるでしょう。
まずは利益を残せるようになることが先決
トレードはなるべく損失をおさえ、利益を伸ばすことが重要です。
それゆえに下位足でエントリーポイントや損切りポイントを絞り込むのは、大切になってくるといえます。
とはいっても、絞り込むには上位足でのエントリーポイントがわからないといけません。
トレンドフォローにおけるエントリーポイントは、2つ。
- 押し目(戻り目)ポイント
- ブレイクポイント
上記2つのポイントでエントリーして、利益を残せるようにしましょう。
1つの時間軸で勝てる力を身につけよう
なぜ1つの時間足を分析する力が必要なのか、おわかりいただけたでしょうか?
「分析する力といわれても、何をしたらいいか・・・」
そう思う方もいらっしゃるでしょう。
そこでシンプルなチャートの見方とオススメの時間足をご紹介したいと思います。
シンプルなチャートの見方を覚えよう
チャートの分析を難しく考える必要はありません。
- 明らかなトレンドを待つ
- トレンドの方向に仕掛ける
- 利益が残るようになる
コレが1つの時間軸でできる力を身につけましょう。
自分がトレードする時間軸にでているトレンドに沿って、エントリーできるようになることがはじめの一歩。
1.明らかなトレンドを待つ
FXで安定して利益を残すためには、トレンド相場で仕掛けていくことがポイント。
誰が見ても明らかな「右肩上がり」「右肩下がり」な相場になるのを待ちましょう。
その際は、トレンドラインが一助になると思います。
トレンドラインの引き方は、下記の記事をご覧ください。
2.トレンドの方向に仕掛ける
トレンド方向に仕掛けるには、『ブレイク』か『押し目(戻り目)』を狙うことになります。
初心者のかたにオススメなのは、『押し目買い(戻り売り)』
たとえば、以下のようなものです。
上は上昇トレンドのチャート。
レジスタンスラインだったポイントに価格が戻ってくると、そこが新しくサポートラインとして機能する役割があります(レジサポ転換)。
そういったポイントでの反発を狙い、押し目買いを仕掛けていきます。
次は下降トレンドです。
サポートラインを下方向にブレイクすると、そこに価格が戻ってきたときに、今度はレジスタンスラインとして機能することが多いです。
このようなポイントで反発を狙い、戻り売りを仕掛けていきます。
シンプルですが、トレンドフォローをマスターする大切なプライスアクション。
このプライスアクションを覚えられれば、1つの時間軸で利益を残せる確率がグッと高くなるでしょう。
余談になりますが、トレンドフォローをマスターしたい方には下記の本がオススメ。
押し目(戻り目)と仕掛けを、ローソク足でシンプルに判断するのに役立つと思います。
3.利益が残るようになる
1と2ができるようになれば、おのずと利益は残っていくようになるでしょう。
デモとリアルトレードで「コレさえやっておけば、トータルで利益が残る」という根拠(数字)を作っていくことが大切。
日足でトレードするのが安定して勝つコツ
1つの時間軸で取り組むべき際は、日足がオススメ。
なぜなら、テクニカル分析が非常に有効だからです。
先ほど説明したサポレジ転換も、他のインジケーターなどを使ったトレードも、日足だと機能しやすいといえるでしょう。
日足は、世界中のトレーダーが共通してみている時間軸だからです。
4時間足・1時間足・15分足などの短い時間軸は、そのときに市場に参加しているひとが見ているにすぎません。
一方、日足ができあがる時間は共通です。
わかりやすくいえば、日足は誰もが意識しているということですね。
ですから日足を分析して勝てるようになることが重要。
極論すれば日足で勝てないなら、より短い時間足は厳しいといっても過言ではありません。
日足だけのトレードが一番勝ちやすい
そもそも、テクニカル分析は日足ベースで作られてきました。
ダウ理論もインジケーターも、プライスアクションも日足ベース。
というのも、大昔は時間足という概念がなかったからです。
ネットが発達して、すぐにデータがわかるようになったのは近代。
それ以前は、日足で判断するしかありませんでした。
ボクたちが使っているテクニカル分析は、古くからあるものですよね?
(ダウ、エリオット、チャートパターンなどなど)
つまり日足ベースで考案されたものばかり。
ですから、テクニカル分析は日足で最も効果的といえるのです。
逆に時間足が小さくなるにつれ、テクニカルの精度は落ちてきます。
よく言われる『ダマシ』は、短い時間足でおこることがほとんど。
それだけテクニカルの精度が低いからといえます。
結論をいうと、日足は最もテクニカル分析が機能しやすく、勝ちやすいといえるでしょう。
できることを少しずつ増やそう
1つの時間軸を分析する力がつけば、MTF分析に取り組める段階に入ってきたといえます。
個人的にオススメなのは、見る時間足を少しずつ増やすこと。
見る時間足が増えれば、考えることも増えます。
そのためMTF分析に取り組んで、いきなり複数の時間足を見ると混乱してしまう恐れがあります。
ですからあせらず、できることを少しずつ増やしていきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
◎マルチタイムフレーム分析が推奨される理由
- 分析の精度が上がる
- トレードの優位性が上がる
- 損小利大のトレードが可能
◎マルチタイムフレーム分析は本当に必要?
- 分析の精度は下がる可能性が高い
- 上位足と同じ方向=それほど勝率は高くない
- まずは利益を残せるようになることが先決
◎1つの時間軸で勝てる力を身につけよう
- シンプルなチャートの見方を覚えよう
- 日足でトレースするのが安定して勝つコツ
- 日足だけのトレードが一番勝ちやすい
マルチタイムフレーム分析を取り入れまでには段階があります。
最初に1つの時間軸をしっかりと分析する力を身につけましょう。
川西 能司
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