投稿日:2020年10月28日 | 最終更新日:2021年10月2日
「FXで失敗しないためには、どうすればいいの?」
「失敗する原因ってなんだろう?」
そんな疑問ありますよね?
FXで失敗する理由を知っておくことは非常に重要といえます。
なぜなら、損をしている人のほとんどが同じ過ちを繰り返しているから。
ボク自身、FXを始めたころは典型的なダメトレーダーでした。
もちろん、今回ご紹介する失敗事例は山ほど経験しています。
多くのお金と時間を失いました・・・
そんなボクでもトレード歴8年目を迎え、稼ぎは多くありませんが、安定した成績を残せるようになってきました。
トータルの成績が安定しだしたのも、多くの人が失敗する次の事例に少しづつ対処してきた結果だと思います。
- 損切りができない(しない・外す・ズラす)
- リスクを取りすぎる
- ポジポジ病になる
- 利益・損失を数(かぞ)える
- 自分だけは失敗しないと思っている
FXを始めた9割近くの人が損をしているともいわれています。
みんなが同じことをして損をしているのであれば、逆のことをすれば・・・
そこで今回の記事では、FX初心者がよくする失敗事例ベスト5をご紹介します。
少しでもあなたのトレードの参考になれば幸いです。
失敗事例①:損切りができない(しない・外す・ズラす)
相場を退場することになったほとんどの人が、この失敗。
実に損失をだした原因の「約85%」が損切り関連だというのがわかっています。
(引用元:金融先物取引業協会より)
- コツコツ稼いできた利益を、たった1回のトレードで吹き飛ばす
- せっかく設定した損切りを、レートが近づいてきたら外してしまう
- レートが損切りラインに近くなるほど、遠くにズラす←意味ネー
- 連敗するとヤケになり、損切り設定をしない
はい、恥ずかしながら全部ボクがやってきたことです。
「損切りは大切です。必ずしましょう。」
と多くの書籍やブログでも書かれています。
もちろん、ボクもFX始めるときに勉強したし、あなたも何度も目にしてきたのではありませんか?
でも、FXを経験するとやっぱりできないんですよね。
というより、トレードするうちにできなくなるんです。
大切なことはわかっているのに・・・
これはボクだけでなく多くの人が当てはまると思います。
なぜ、わかっているのに損切りができないのでしょうか?
大きく分けて、3つの理由があります。
- そもそも損をしたくない(プロスペクト理論)
- 損切りをしなくても、レートが戻ってきた経験がある
- 損切りしたら結局、レートが予想通りの方向に動いた経験がある
解説します。
①そもそも損をしたくない(プロスペクト理論)
そりゃ、そうですよね。誰だって損はしたくありませんから。
「トレードは必ず勝つとは限らない」
「損切りは必要経費」
「損小利大が大切」
などなど…頭でわかっていても、どうしても人は「損をしたくない」という心理が働きます。
これは『プロスペクト理論(注)』といわれるもので、人の行動心理です。
人は、【得をしたい<<<損をしたくない】という気持ちのほうが圧倒的に強いんですね。
この心理こそ、損切りができない最大の要因です。
利益が目の前にあるときは、利益よりもリスク回避を優先し、損失が目の前にあるときは、損失を回避しようとする人の感情。
利益がのっているときは、確実に取れる利益を、損失があるときは損失の全面回避(損切り拒否)を最優先に考えてしまう。
②損切りをしなくても、レートが戻ってきた経験がある
損失を抱えていても、ある程度時間が経つと元のレートに戻ってくることがあります。
「あー、よかった。損切りしないで助かった。」
と、そんな経験あなたにもあるかもしれませんね。
「結局、為替相場は上下しているだけだから、損切りは不要でしょう?」
と思ってしまうのも無理ありません。
確かに一理あります。
なぜならFXは株とは違い、一方的な動きはないからです。
為替相場は一定のレートをいったり、きたりしているので、
いずれ元のレートに戻る可能性は高いといえるでしょう。
しかしながら、損切りをしなくていいのは次の条件のときだけです。
- 低レバレッジ(1~2倍程度)での運用
- 豊富な資金
例えば、リーマンショック を受けてドル円は4年で約40%下落をしました。
仮に20万円の資金でトレードを始めたとして、124円で買いのポジションをもったとしましょう。
- レバレッジ1倍→▲8万円
- レバレッジ2倍→▲16万円
- レバレッジ3倍→▲24万円
レバレッジ3倍でもう資金ショートです。
実際のトレードでは、もっと高いレバレッジをかけていることがほとんどでしょう。
ちなみにその後124円付近まで戻すのに長い歳月を要しています。
その間利益にならず、ただ我慢しているだけ。
サッサと損切りしておけば、次のトレードチャンスがあるだけにもったいないですね。
あなたが豊富な資金と低いレバレッジで長期的な運用を目指すのであれば、損切りは必要ないかもしれません。
しかし、ボクのようにデイトレードである程度レバレッジをかけて取引をするのであれば、損切りは必要といえるでしょう。
③損切りしたら結局、レートが予想通りの方向に動いた経験がある
せっかく損切りをしたのに、そのあと予想通り方向にレートが動くことがあります。
「なんだよ。損切りしなきゃよかったよ」
その思いは当然でてくるでしょう。
でもそれは『結果論』
相場の先はわからないが基本です。
それはどんな凄腕トレーダーでも一緒。
だから、損切りをして損をしたことを後悔するのではなく、将来にたいするリスクを防いだ自分をほめるべきです。
ボクは損切りをした自分に対していつも
「ナイス損切り!」といってあげています。
痛いでしょ。
以上の3つの理由から、分かっていても損切りができない・できなくなるのです。
「欲」と「恐怖」が、損切りを「守らせない」方向に働ているといえます。
損切りができない人にオススメの対処法
もし、あなたが損切りができないとお悩みの場合、下記の対処法を是非お試しください。
- エントリーをする前に、損切り水準を必ず決める。
損切りを決めずにエントリーするのは、坂道をブレーキがない自転車で走るようなもの。
結果死なないかもしれないが、そんなスリルは必要ないでしょ。 - レバレッジを下げること。
あなたにも平気で損切りができる金額があるはず。
100円なら損切りができるのに、1,000円ならできないのなら、あなたはまだその金額でトレードできるレベルではないのです。
ボクも損切りができなくなると、レバレッジを下げて、徐々に上げていくことで心を慣らしました。 - どうしても損切りができないというのであれば、ポジションの半分だけ損切りする癖をつけること。
それを続けることで、自分も損切りが上手くなっているという自信がついてきます。
1は必ずやる。
1を実行してもチョイチョイやらかすのであれば2を実行。
2もクリアできないなら3を、というステップで進めてみください。
失敗事例②:リスクを取りすぎる
FX初心者ほど、ハイリターンを期待してレバレッジを高くする傾向するにあります。
これには「最初から儲けよう」という気持ちがあるからでしょう。
稼ぎたいという気持ちがあるから、いきなりレバレッジを10倍以上かけてトレードをしたりするのです。
海外FXでは100倍以上のレバレッジをかけることもできてしまいます。
もはやただの『ギャンブル』
もちろん、FXの一番の魅力はレバレッジをかけることで、少額から取引できることに間違いありません。
しかしながら、初心者がすぐに勝てるようになるほど、相場の世界は甘くないのです。
パソコンの画面の向こうには、プロのトレーダーたちも大勢います。
無知な素人の資金を、あの手・この手で奪い取ろうとスキをうかがっているのです。
だから、あなたがまずしなければいけないことは、相場から退場しないように細心の注意を払うこと。
トレードを始めて少なくとも1~2年は、稼ぐ時期ではなく、学びの時期だと理解することが大切だと思います。
ボクは、なけなしの10万円を元手にFXを始めました。
「1日1,000円ぐらいでいいから稼ぎたいな」
そんな期待をいただきつつのスタートでした。
そしていずれは専業トレーダーに・・・
ところが現実は、残酷です。
あっという間にお金はつき、借金までして再スタートしても、また失う。
ムキになって取り返そうとレバレッジをかけるもんだから、失うスピードも加速度的。
一刻も早く稼ぐつもりが、結局お金を増やせるようになるまで数年かかりました。
リスクを取りすぎる人にオススメの対処法
ボクがアドバイスできることとしたら、
「まずはお金を稼ぐことではなく、減らさないことに集中してください。」
ということ。
資金を減らさなければFXを続けることができます。
続けることができれば、知識と経験をためることができます。
そうすることで、少しづつ安定して勝てるようになってくるのです。
そのため、まずはレバレッジを1~3倍程度でトレードすることが大切だと思います。
名著『デイトレード』のなかで、こう記されています。
「まず知識を求めよ!利益はその次である」と
失敗事例③:ポジポジ病になる
ポジポジ病とは、ポジションをすぐにもってしまう悪習慣のこと。
チャートを開くと、すべてがチャンスに感じて取引回数を重ねてしまいます。
実はこれ、先ほどでてきた『プロスペクト理論』と密接な関係があります。
なぜなら、チャンスを逃したくない=機会を逃すという損失だからです。
損失を避けたいという人の欲が働くのですね。
ポジポジ病のやっかいなところは、
- 根拠のないトレードをしてしまう
- 無駄にトレード回数を重ねることのコスト増
が挙げられます。
ポジションを持つことが、根拠あるトレードであれば問題ないのですが、根拠のないトレードはただのギャンブル。
たとえ目先の勝負に勝てたとしても、安定して勝つことは夢のまた夢。
当然ながら、絶えずポジションを持つので無駄なスプレッド(コスト)がかかることにもなります。
もしあなたが後でチャートを見たときに
「なんでこんなところでエントリーしてしまったんだ!」
と後悔するようなら、ポジポジ病といって間違いありません。
ボクの昔話ですが、その日の1回目のトレードはマイルールどおりできるんです。
でも、連勝・連敗をすると発動したんですよね。ポジポジ病が。
ポジポジ病の人にオススメの対処法
ポジポジ病にオススメの対処法は次の2点
- トレード記録をとる
- ポジポジ病専用口座を作る
とにかく、まずはトレード記録をとること。
記録する際は、勝敗や根拠だけでなく、その時の心理状態も書いておきましょう。
どういうときに無駄なポジションを持ってしまうのか?どうすれば解決できるのか?テストするために、客観視できる材料が必要です。
次にオススメなのが、ポジポジ病専用口座を作ることです。
どうしてもポジションを持ちたくなったら、まずは専用口座の方で注文しちゃうという方法。
もちろん、トレードする金額は最小限にします。
ポジションを持っていないと落ち着かない場合に効果的。
その意味でも、FX口座は取引単位が小さいところがいいです。
オススメはXM
マイクロ口座なんて10通貨単位からトレードできますから。
失敗事例④:利益・損失を数(かぞ)える
利益・損失を数えることは、初心者が失敗する原因の1つです。
目先のトレードで少しでも利益がでると、それを失うことが怖くなり、手はブルブル震え、呼吸はハァハァと浅くなり、心臓なんてバクバク鳴りっぱなしです。
- 少額の利益を失うのが怖くて、大幅な上昇直前に利食ったことはありませんか?
- 損切りをしなければいけないときに、動けなかった経験はどうでしょう?
利益・損失を数えるという行動は、将来的にカバーできない損失を抱えたり、大きな利益をとり逃すことにつながります。
当然トレードの目的は、利益を上げることです。
いやらしい言い方ですが、お金を稼ぐことがトレードや投資の原動力といって過言ではありません。
その意味で利益は第1目的なのですが、ポジションを持ったら利益・損失の数字は忘れることが大切です。
利益を数えてしまう人にオススメの対処法
1番のオススメは『利確と損切り』を設定し、後はチャートを見ないこと。
想定どおり、勝つか負けるかです。
チャートを見ているとどうしても感情がわいてきます。
初心者のうちは、その感情に負けて『利食いが早く、損切りが遅く』なってしまうのです。
だから強制的に、勝っても負けてシナリオどおりという形を作ります。
どうしてもチャートを見てしまい、利食い水準まで我慢できない・損切りはしたくないというのであれば、『半分利食い・半分損切りをする』クセをつけてみるといいでしょう。
失敗事例⑤:自分だけは特別だと思っている
私、失敗しないので by大門 未知子
どっかのスーパー外科医よろしく、予期せぬ事態でも「自分だけは大丈夫だ」という感情が働いてませんか?
「そんなこと思ったことないよ」という、あなた。
思い出してください。
9割が退場しているといわれているFXの世界に飛び込もう、あるいは飛び込んできましたよね?
「いや、自分は絶対成功する」「他の人とは違う」「自分は、残りの1割に入れる」
そう思ったからではありませんか?
安心してください。ボクもそうでしたし、誰もがそうなのです。
というのは、これは『正常性バイアス』という、人間が生まれ持っている性質だからです。
正常性バイアスとは、危険が起きても、慌てたりして対応能力が鈍らないように、自動的に心理的な圧力がかかることをいいます。
例えば、避難警報がでているのに「ここは大丈夫でしょ!」と思ったりしたことはありませんか?
まさしく正常性バイアスなのです。
FXを始めるときだけではありません。
含み損を抱えたとき 、金融危機が起きているときなど、あらゆるときに「自分だけは大丈夫」と思ってしまうのです。
自分だけは特別だと思っている人にオススメの対処法
残念ながら、あなたには特別な才能も能力もないと認識しましょう←イヤ、なんかごめんなさい。
でも、それが最初の第一歩。
自分は特別の才能があるからと思ってしまう時点で、思考がストップしてしまいます。相場から退場してしまう9割の人たちと同じなのだから、そうならないためにどうすればいいか考えらえるのです。
まとめ
いかがだったでしょう?
FX初心者がよくする失敗事例ベスト5
- 損切りができない(しない・外す・ズラす)
- リスクを取りすぎる
- ポジポジ病になる
- 利益・損失を数(かぞ)える
- 自分だけは失敗しないと思っている
つまるところ、人の欲がからんでの失敗というのがわかりますね。
きっと、読むだけではすぐに解決できないかもしれません。
でも、この記事で「知る」「理解する」ことはできたと思います。
少しでも実践して、一歩づつトレードの進歩にお役に立てれば幸いです。
川西 能司
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