投稿日:2020年5月25日 | 最終更新日:2025年2月17日
「ダウ理論取り入れてみたけど、全然勝てない…」
「そもそもダウ理論って、ホントに勝てるの?」
「トレンドの方向は合っているのに、損切りばかり・・・」
このような悩みを抱えている人も多いでしょう。
勝っているトレーダーのほとんどが、
ダウ理論を取り入れているのは周知の事実だと思います。
なのに、自分がやったら何故かうまくいかない・・・
「なんでだよ!本当にダウ理論って役立つの?」
そう思うのもムリありません。
なぜなら、ダウ理論にも欠点があるからです。
その欠点を知らずに、
ただ取り入れても失敗するのは目に見えています。
そこでこの記事では、
ダウ理論の落とし穴と、勝ち続けるための具体的な実践法を解説していきます。
では、早速いきましょう。
Contents
そもそもダウ理論とは
ダウ理論とは、
19世紀後半にアナリストとして活躍したチャールズ・ダウという方が提唱した理論です。
トレーダーの多くは、このダウ理論を意識しています。
というのも、
ダウ理論の考え方がテクニカル分析の土台そのものだから。
ダウ理論には6つの基本原則があり、
そのなかの一つに『平均はすべての事象を織り込む』というものがあります。
カンタンに言えば、「チャートがすべてを物語っている」ということですね。
極論すると「FXはチャートを見れば分析できる」ということになります。
この考え方がなければ、そもそもチャート分析(テクニカル分析)は成り立ちません。
だから、多くの投資家がダウ理論を重要視しているのです。
では、そんなダウ理論の基本ルールを確認してみましょう。
(簡単におさらい)ダウ理論の基本ルール
ダウ理論には6つの基本原則があります。
- 平均はすべての事象を織り込む
- トレンドには3種類ある
- 主要トレンドは3段階からなる
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確なシグナルが発生するまで継続する
なかでも押さえておくべきは、次のポイントです。
- トレンドの定義:「高値・安値の切り上げ=上昇トレンド」「切り下げ=下降トレンド」
- トレンドの継続:トレンドが発生したら、ハッキリと終了するまで続いている
ダウ理論が多くのトレーダーから支持を得ているのは、
トレンドの判断基準が明確であることに他なりません。
すでに出来上がっている高値・安値を見るわけですから、
トレンドの判断にブレが生じにくいというわけです。


もちろん、
どこの高値・安値を見るかによって、
多少の判断の違いはありますけどね。
いかにトレンドに乗るかが、
FXで利益を上げ続けるカギですから、
ブレないトレンドの判断というのは、
大きなメリットだと言えるでしょう。
また、
トレンドの終了が定義されている
のもダウ理論のメリットです。
例えば、
直近の押し安値・戻り高値を抜けるまで(注)、
トレンドは継続していると判断するのが一般的です。
単純に「直近の高値・安値の切り上げ(切り下げ)」で判断するトレーダーもいますが、
どちらにもメリット・デメリットがあるため、自分に合う方法を見つけることが大切です。
上昇トレンドが続く限り買う。
下降トレンドが続く限り売る。
目先の値動きにオロオロせずに、
目線を固定できるのがダウ理論の真骨頂と言えるでしょう。

なお、
ダウ理論の歴史やその他の基本原則も詳しく知りたい方は、こちらの記事で解説しています
このように魅力的なダウ理論ですが、
理屈を覚えただけでは勝てないのも事実です。
というのも、
実はダウ理論にはいくつかの“落とし穴”があるからです。
ダウ理論だけでは勝てない理由(落とし穴)
シンプルかつトレードに活用できるダウ理論ですが、
それだけ勝つのは難しい理由があります。
- シグナルが遅すぎる
- 他の時間足の存在
- ダマシが多い
ダウ理論をうまく活用するためにも、
上記のデメリットをチェックしておきましょう。
①トレードタイミングが遅すぎる
「上昇トレンドだから買い」
「下降トレンドだから売り」
「トレンド終了だから決済」
ダウによるトレーダでは、遅すぎるという欠点があります。
たとえばダウ理論にもとづいて
【トレンドが発生したらポジションを持って、トレンドが終了したら決済する】
といったトレードルールにしたとしましょう。
下のチャートをご覧ください。

最終的に微益で終わっているのがわかるでしょう。
大きな含み益の時期がありましたが、
途中含み損を抱えたりもして、結局はあまり稼いでいません。
ダウによるトレンド判断だけでトレードすると、
このようにエントリーも決済もタイミングが遅ぎるケースが間々あります。
②他の時間足の存在
見ている時間足によって、
チャートの形は変わります。
仮に1時間足チャートで上昇トレンドが発生したとしても、
日足チャートでは下降トレンド中というのはザラにあります。

でも日足だと・・・

単純に1時間足に強い上昇トレンドがでているからといって、
強気に買いを仕掛けても、上足は売り目線。
あっという間に飲み込まれる恐れがあります。

このようにダウ理論自体はシンプルでも、
複数の時間足が絡み合うことで、判断が難しくなります。
③ダマシが多い
ダウ理論だけの話ではないのですが、
重要なレート付近はダマシが多いです。
「ココを抜けるとトレンド発生だな」
「押し安値下抜けしたら、トレンド終了だな」
「このレートを抜けたらエントリーしよう」
というような具合に、
重要なレート付近は多くのトレーダーが意識しています。
ですが、
実際の相場ではセオリーとは真逆の動きをするときがあります。
例えば、下のチャートをご覧ください。
押し安値をローソク足実体で下抜けしたので、
セオリーでは上昇トレンド終了です。
さらに、ヘッドアンドショルダーも形成しています。
多くのトレーダーが、
「さぁー、ここから下がってくるぞ」
と思う展開です。
ですが、実際の値動きはというと・・・
このような動きは、
リアル相場では日常茶判事です。
なぜこんなダマシが起こるのか?
それは、多くのトレーダーが同じレートを意識しているからです。
つまり、
市場の大口プレイヤー(機関投資家など)が意図的に逆方向へ動かし、
個人トレーダーを振るい落としていることがあるのです。
ようするに、
ダウ理論も絶対ではない
ということですね。
ダウ理論のみでトレードをしてみた結果・・・
「欠点はわかったけど、ダウ理論だけで本当に勝てないの?」
と疑問に思う人もいるでしょう。
なので、実際にダウ理論だけでトレード検証をしてみました。
検証するにあたって、できるだけ裁量を挟まないように次の条件で行いました。
-
高値・安値の判断:ローソク足6本によるスイングハイ・ロー
-
時間足:4時間足・1時間足
-
エントリーポイント:トレンド発生でエントリー(ヒゲ含めない)
-
利確・損切り:戻り高値・押し安値を抜けたら(ヒゲ含めない)
-
運用期間:2022年1月〜2024年12月の3年間
画像で説明します。
【高値・安値の判断】
高値・安値の基準がブレないように、
スイングハイローを採用。
インジケーターは【SwingHL-mesen】を利用しています。
【エントリーポイント】
高値・安値を切り上げ(切り下げ)たらエントリーします。
なお、ヒゲは含まず実体抜けを前提とします。
【利確・損切り】
利確・損切りは【押し安値・戻り高値】を抜けたら。
なお、ヒゲは含まず実体抜けを前提とします。
高値・安値の判断に少し裁量が入りますが、非常にシンプルですよね。
検証にあたっては上記のルールを適用し、
USD/JPY・EUR/USD・GBP/USDのメジャー通貨で運用しました。
◎検証結果
(注)スワップポイントは考慮していません。内部スプレッドを含めた結果です。
上記はあくまでも個人の検証結果です。決して結果を保証するものではございません。
ダウ理論の欠点
先ほどの検証結果の結論です。
- 長期足の方が優位性は高い
- どの時間足でも勝率は低い
- エントリー・決済タイミングはかなり悪い
- どの通貨でも大きなトレンドでの利益が大半を占めている
検証を重ねて改めて思ったことですが。
ダウ理論だけでトレードすると、
圧倒的にエントリー・決済のタイミングが遅すぎます。
せっかくの大きな利益を吹き飛ばしたり、
建値決済をムダな損失に変えたりと、
そんなトレードが多すぎと感じました。
確かに長期足ほど
ダウ理論はより有効的に機能してきます。
ですが、
あまりにももったいないと感じるトレードが多く、
ダウ理論単体でトレードするのは厳しいと感じる結果となりました。
「じゃ、ダウ理論は結局使えないの?」
そう思うかもしれませんね。
イヤイヤ、ちょっと待ってください。
ダウ理論はうまく活用すれば、ちゃんとトレードに役立ちますから。
じゃないと、多くのトレーダー達が採用しているわけありませんからね。
では、どのようにダウ理論を活用すればいいのか?
次の章では、ダウ理論の欠点を補うための具体的な改善策を解説します。
勝ち続けるための実践法
先ほどダウ理論の欠点が、浮き彫りになりました。
逆を言えば、欠点部分を補えばダウ理論を有効活用できるというわけです。
そのためには、
次のポイントを取り入れることが大切です。
- 相場の方向性を明確にするために利用する
- 長期足のトレンド方向にエントリーする
- エントリータイミングは、インジケーターやラインを活用する
✅ 目線を固定するために利用する
🔹 「相場の方向性をしっかり定めることが重要。目線がブレると無駄なエントリーが増え、勝率が落ちる。」
🔹 「例えば、長期足のトレンドを基準にすれば、短期的なノイズに惑わされにくくなる。」
✅ 長期足のトレンド方向にエントリーする
🔹 「短期足だけを見ていると、ダマシに引っかかりやすい。だから、長期足で方向性を確認してからエントリーすることで、勝率を高める。」
🔹 「例えば、4時間足が上昇トレンドなら、1時間足の押し目を狙うのが鉄則。」
✅ エントリータイミングは、インジケーターやラインを活用する
🔹 「ダウ理論だけだとエントリーが遅れることが多い。だからこそ、インジケーターや水平線、トレンドラインを活用して、最適なエントリータイミングを見極める。」
🔹 「例えば、移動平均線の反発ポイントや、サポート・レジスタンス付近でのプライスアクションを見てエントリーすると精度が上がる。」
まとめ
いかがだったでしょうか?
ダウ理論の欠点を知らずに運用すると、
相場環境によっては負け続けることもあるとわかったことでしょう。
ですから、ダウ理論を使ってトレードする場合は、
その欠点を補って運用することがポイントになります。
大きなトレンドのみ使ったり、
利確のルールを変えたりするだけでも大幅に勝率・収益は改善されるでしょう。
あなた自身もぜひ検証を重ねて、ダウ理論を有効活用してみてください。
なお、今回の検証にあたってはTrade Trainerを利用しました。
検証の時間の大幅な削減・効率化につながりますので、心強い味方として持っていても損はありませんよ。
川西 能司
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